姉と妹に誘われ洗濯物の干してある軒をくぐり家へ入ると、既に宴会の準備は始まっていたのでした。
思ったより大家族なのか、ご近所さんも招いているのかは分からないが、数人の女性たちがせわしく料理の準備に取り掛かっていた。
しばらく彼女らの作業を見守っていのだが、姉から
「退屈でしょう、もう少し時間かかるから裏で休んでてちょうだい。」
と言われ、一休みするために中庭に通されしばらく横になっていた私。
少しばかりウトウトしていたところで、なんとなく“気配”を感じ、庭を抜けて家の裏に足を運んでみることにしたのでした。
家の裏には大きな川が流れていた、おそらく数日前にホーチミンからここへ来る時にフェリーで渡った川の上流になるのだろう。
船が通り過ぎるのを待ち川に向かって無意識のうちに用を足そうとする私。
本能と言うか、こういう光景に出くわすと尿意を催すのは私の悪い習性なのだが、川に向かって“放水”中に『“気配”の主』に気づくのでした。
とは、言うものの“放水”作業を途中で止めるのは至難の業。
『“気配”の主』に気づかれないように、これまで豪快に川面に向けていた“放水”を極力穏やかモードに切り替えた私。
それは、その『“気配”の主』が対岸に向かい小さな桟橋に佇んでいる女性だったからなのです。
なんとか“放水”作業を終えズボンにホースを仕舞い込みながら彼女の様子を窺う私。
“あんなところで何をしているんだろう?彼女、若いのかな?”
と思うが先か、彼女は私が仕舞い終えるタイミングを計ったようにこちらに振り向いたのでした。
彼女はこちらへ近づいてくると、微笑みながらこう言うのでした。
「もう終わったの?アナタね、日本人って。」
やはりすべてお見通しの様子、気を使ってか向こうを眺めていたのは私でも気づいた。
彼女らの姉妹なのか?そうすると3姉妹(以上)ということになるのだが。。。
彼女もこれから始まる食事に参加するのだろうか。
しかし、英語を喋ってくれるとはありがたい話。
と言うのも、食事の時には通訳を介してオヤジと会話するようになるであろうが、一緒に戻ってきた姉のほうだけの通訳では、勝手に自分の都合の良い翻訳をされ話が変な方向に進んでも知るすべがないからである。
そういう目論見もあり、私は彼女としばし川を眺めながら会話を重ねることとしたのでした。
どうやら彼女は、姉妹の真ん中(一緒に戻って来た姉と妹の間)のようで、3人姉妹とのこと。
二日酔いでやっと目を覚ましたのが今しがたで、川面でボーっとしていたらしい。
台所で料理をしていた複数の女性たちは、家族ではなく近所からオヤジが手伝いを要請してやってきたボランティアみたいなものらしい。
驚いたことに、3姉妹で一番英語が堪能なのは、一番下の妹ということなのである。
これまでも一切英語は喋らず、部屋では必死にスマホ使いながらコミニケーションを取ろうとしていた妹が英語ができるなんて。。。これも、末っ子のしたたかさか。
いろいろと話を聞いていると、突然に私の携帯がな鳴った。
一緒に戻ってきた姉からだった。
「アナタ、どこにいるの?」
どうやらいなくなった私を探しているようだったので、裏の川に居ることを告げ戻ることにした私。
戻る途中、傍らの藪の奥で妹が用を足していた。
チラ見しながら通り過ぎようとしたが、妹は視線だけをこちらに向けると何やら不敵に微笑んだ気がした私なのでした。
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