「姉さんばかり見てるのね。ワタシのお姉さん2人共可愛いでしょ、ワタシも可愛いけど。」
初めて聞く彼女の英語。
3姉妹の中では一番堪能だと言うのも頷ける。。。
じゃ、これまでレストランで会っても、加えると部屋に一緒にいた時には喋ろうとしなかったのだろう?
いずれにしても、3人皆が英語を話せるというのは私にはありがたい話、ついつい座り込んで彼女らとの会話にのめり込んでいったのでした。
会話の中で彼女ら一家は生粋のベトナム人ではなくカンボジアから流れてきたことを聞かされたが、この町からカンボジア国境までは目と鼻の先でさほど驚くこともなかった。
むしろ私が興味を持ったのは一家の本来の稼業。
いつも使っている彼女らと知り合ったレストランはこの家族の持ち物、ここまではありふれた話かもしれないが、どうやら米を運ぶ仕事をしているとのこと、しかもカンボジアからベトナムへ。
それが少し“ヤバイ系”の稼業であることは察しがついた。
そして商談の中で今私が遭遇しているような女性をあてがったりし、おそらく売買を有利に進めたりしてきているのだろう。
3姉妹はそれを知りながら育ち、こういう場面には慣れているのかもしれない。
そう直感的に思った私だったが、右手に何か違和感を覚え視線を右下に向けたのでした。
隣にいた三女が私の手を取り自分の膝の上に乗せてうつむいていたのでした。
2人の姉たちも気づいているようであったが、特に口を挟んだりもせず平然としている。
私はその手を振り払うことなく三女の膝に乗せたままにし、何食わぬ顔で姉妹たちと話をしていたが、手に伝わる感触が気になり神経は自然と右手に集中してしまい会話が途切れ途切れに。
「ねぇ、意味わかっている?」
と、時折聞き返されながら、「聞いていなかった」とは言えない私は、「ごめん、もう一度説明してよ」と惚けながら楽しい時間を過ごしていた。
すると、奥からオヤジの大きな声が聞こえてきたが、私は意味が分からない。
ないやらベトナム語で長女が会話しているのだが、おそらく戻ってこない私のことを言っているのだろう。
私は3姉妹との会話を諦め、オヤジの待つ屋内へ戻ることにしたのでした。
すると不思議なことに、長女と次女も私の後についてくるではないですか。。
しかし三女はそのまま軒下に座り込み、こちらを見ることもなく再び食事の盛られた器に箸をつけ始めたのでした。
“長女と次女は、言葉のできないオヤジの手伝いで仕事やお姉さんのあてがう交渉などの通訳をやらされているのだろう。おそらく三女はまだ年齢的にその役を任されていないのだろうなぁ。”
と想像しながら私はオヤジの隣へ腰をおろしたのでした。
私の想像は当たっていた様子で、私のあとを追って部屋に入ってきた長女と次女は腰を下ろすことなく、その場に立ったままでオヤジが私に話しかけている内容を代わる代わる英語に翻訳しはじめたのでした。
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