“いやいや、キミはまだしもオレには全く関係ない話。捕まるわけないじゃんよ。。。”
そうは思ったが、荷造りのために彼女に手を引かれ部屋に引き返した私。
彼女はあわただしく荷物をカバンに詰め込んでいるが私の荷造りは既に終わっているので、タバコを燻らしながらその光景を眺めていたのでした。
「あー、やっぱり入らないわぁ。アナタのカバンにこれ入れててちょだい!」
そう言うと、彼女は私に衣類の束を託してきたのでした。
拒否できる雰囲気ではなかったため、自分のカバンを開け手渡された彼女の衣類の塊を詰め込むハメに。
ただ、こちらもカバンにそんなに余裕があったわけではないので、彼女の衣類を詰め込むのに思いのほか手間取る私。
なんとか詰めることができた時に手配していた運転手から連絡が入った。
既に宿の入り口に居るので出発しようとのことで、彼女にその旨を伝え部屋を出ようとしたときに彼女はこう言うのでした。
「ちょっと、待ってて!」
こう言い残すと、シャワールームへ駆け込んで言った彼女。
しばらくすると、小気味よく便器が彼女から放出された液体を受け入れる音、続いてトイレットペーバーが巻き出される共に勢いよくそれらが流される音が聞こえてきた。
が、しばらく待っても彼女は戻って来なかった。
不思議に思い様子をうかがいにシャワールームに私は足を運んだのでした。
やはり若い娘、彼女は歯磨きを終え鏡に向かい化粧をしていたのでした。
“そんなコトしてる状況じゃないんじゃないかぁ~”とは思ったものの待つしかない私だったが、化粧が徐々に施され『大人の顔つき』になる彼女に見入ってしまっていたのでした。
待つこと十数分、ようやく化粧も終わり出発準備が整い、私と彼女は待たせていた車に乗り込んだのでした。
連れが同乗することは伝えていたがニヤけながら車を走らせ始めた運転手は、現地語で彼女となにやら会話を始めるのでした。
当然ベトナム語ができない私は会話の内容は理解不能、いつしか後部座席で寝入ってしまったのでした。
車が停車しドアの開く音で目覚めた私。
なにやら見慣れない騒がしい場所に到着しているが、ここは一体・・・。
彼女は、私にこういうと車を足早に降りて行ったのでした。
「ワタシ、ここからバスに乗るの。ホーチミンに着いたら連絡するわネ。」
何が起きているか分からない私は返事もできないまま、去っている彼女を見送るしかないのでした。
現地語で会話していた運転手なら何かしっているのかな・・・私は運転手に訪ねてみることにしたのでした。
運転手が言うには、まず彼女は自分の荷物をこの車でホーチミンまで運んでほしいらしかったようだとのこと。
確かに彼女は手ぶらで去って行ったのは覚えているが、荷物だけこの車で運びたいとは一体どういう事情なのだろう。
何だか悪い予感が頭をよぎった私、後部座席に積まれている私の隣にある彼女のカバンを開けてみることにしたのでした。
幸いカバンにはカギは掛けられておらず容易に中身が確認できたのだが、ひときわ容量費やしている大きな紙包みを見つけ中身を取り出すのでした。
私が取り出したモノは札束。
相場感覚の分からない私はどれくらいの額になるのか見当もつかなかったが大金には間違いなさそうだった。
私は運転手に気づかれないよう、再び紙袋に収めるとカバンのチャックを閉じたのでした。
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