お姉さんの部屋で「現実」が見えてしまう件（１０）

馴染みのお姉さんを早々とペイバーし、いつものように一緒に宿に戻る前にひと遊び。
こうやってローカルのディスコやらパブやらいろんな処を案内してもらうと、いかに「日本人（外国人）が遊ぶ場所」が高価なのか思い知らされていきます。
だいだい遊びに繰り出すのは、バンコク市内を外れた郊外が多いのですが、今回２人で向かった先はスクンビット１１（Sukhumvit soi11）にある有名「ナンパ」なディスコ“クライマックス（Climax）”。
位置的にも外人が多く、あまりお安いとは言えない夜遊びスポット。
一通り遊んだ後に汗を流し疲れた体を癒すためにどちらかの部屋へシケ込むのがパターンなのですが、この位置からだと圧倒的に私の滞在するホテルのほうが近い。
しかし、彼女はラチャダピセーク（Rachada Phisek）にある自分の部屋に私を誘ったのでした。

渋滞にかかりながらタクシーに揺られること数十分、彼女の部屋の近くでタクシーを降りる２人。
部屋へしけ込む前にコンビニに寄って、飲み物とDurexを買うのもいつものパターン。

買い物終わりようやくお姉さんの部屋へ到着。
何時もながら決して広いとは言えない部屋、２人で一緒に入るには狭すぎるシャワールーム。
ここは泣く泣く１人ずつ順番に汗を流すことに。


“でも、どうして彼女は手っ取り早い私の部屋を選ばずに、『戦場の場』として自分の部屋を選択したのだろうか。。。。”

始めは、部屋が散らかった部屋の片づけを手伝わせるために私を誘ったのかと思っていましたが、思いのほか部屋は片付いている。
先にシャワーを終えた私と入れ替わりに彼女がバスルームへ消えて行った隙にいろいろ部屋を物色してみたのですが、どうしても『彼女が私を自分の部屋へ連れて来た理由』は見つかりません。
しばらくするとシャワーを終え彼女が戻ってきて、こう言いました。

「じゃ、行くわね！」

一瞬暗がりに部屋は包まれましたが、彼女はこれを私に見せたかったのでした。
どこで調達したのか、部屋の天井でキラキラ光りながら回転するミラーボール。
暗がりの中で浮かんでは消える彼女の満足そうな顔。。。もともとあった天上吊り下げ型の扇風機が壊れたのでミラーボールを取り付けたらしいのです。

「これ、まだいろんなことができるのよ。」

彼女がリモコンスイッチを押すと光は七色に変化しながら部屋を照らし出します。
更に（安っぽい）携帯を取り出しフルボリュームで音楽を掛けながら、体に巻いていたバスタオルを投げ捨て踊り始める彼女。

ミラーボールの光の下で浮び上がる体を眺めながら、さっきコンビニが買ったビールを飲む私・・・しばし“ビールの安いゴーゴーバー”を堪能していたのですが、彼女に手を取られ私も踊り始めることに。
再び汗だくになる２人、この後また順番にバスルームへ向かったことは言うまでもないのでした。
しかし、なぜ彼女はミラーボールを自分の部屋に取り付けようとしたのでしょうか。
後日の彼女の話だと、数日使ったら壊れて天井から落ちてきたらしく危ないので床に放置したとのことで、以降その話題を切り出しにくく真意は聞けずにいる私でした。