お互い何もなかったように装いトイレを後にし、もう1人の彼女の待つ元のテーブルに戻りかけた私達。
しかし、さっきまで私達3人が座っていたテーブルには待っているはずの彼女の姿が確認できません。
私たちのテーブルには何やら体格の良い外人の集団が陣取っているではありませんか。
“マジ?まさかトイレでの出来事を盗み見し怒ってどっかにいっちゃったのかな”
とりあえず、どちらかというと好みのタイプのお姉さんのほうは隣にいるので、ここで彼女とはぐれようが私にとってはたいした問題ではありません。
彼女と顔を見合わせたのですが彼女も何もわからない様子、とりあえず元いたテーブルに近づいて行った私達。
すると外人の男どもの中のほうから、私たちを呼ぶ声が。
よく見ると男どもに囲まれご満悦な表情で微笑んでいる彼女がそこにはいました。
ナンパされたのか、それとも彼女が声をかけたのかは定かではないのですが、現実としてそこには外人の男3人が彼女を取り囲み楽しく酒を飲んでいたのでした。
相対的に東南アジアの女性は白人に弱い、が黒人の“大きさ”にも虜になる。。。アジアの中ではどちらかと言えば『モテる日本人』ですが、コイツらと互角にわたりあえるのか。
とりあえず軽く挨拶を交わしてテーブルにつく私達2人。
現段階でシンガポールのお姉さん2人に対して、白人2人、黒人1人と日本人1人の4人の男が群がっているという構図。
しかも参戦してきた外人3人は、妙に積極的で喋りも上手い。
一緒に行ったほうの彼女までも徐々に彼らのほうへ引き込まれて行くのが感じ取れるのでした。
“こりゃ、分が悪いな。。。なんとかしなくては”
私はバンコクのカラオケでよく場を盛り上げるために使っている「コインマジック」を披露することにしたのだが、これが意外と評判がいい。。。特に男どもに。。。
もともともは、お姉さんの手などに違和感なく触れたり近寄ったりする邪道な原点からお遊び程度に習得した技がここで役立とうとは。
手先の器用さでは、白人や黒人野郎と比較しても圧倒的に日本人である私が有利。
タネを明かしてやっても、彼らには到底私のマネなどできないのでした。
なんとか外人たちに持っていかれようとしていた雰囲気を再度引き戻し、かつ、
「どうだいオイラの指さばきは?今はマジシャンだけど、ベッドの上ではテクニシャンにもなるんだよ」
と冗談交じりに控えめに彼女らには軽くジャブ。
しゃべり通して相手を導くというよりは、“無言の美徳”や“無言実行”で納得させる日本人スタイルは特にアジアでは評判は良い。
しかし、今回のターゲットはシンガポールのお姉さん。
マレーシアからちっぽけな島を分け与えられて建国し英語と中国語を公用語として、大した資源や産業もないまま水までもマレーシアからの輸入品という逆境にありながら発展を続ける“アジアの雄”。
当然、シンガポールにとっては“喋り”というか“話術”は重要な武器のはず。
そんなシンガポール出身の彼女らに私はウケているのだろうか。。。
それなりに男女6人は談笑やら手品で盛り上がっていたのですが、一緒にトイレに席に行った彼女が酔ってきたので夜風に当たりたいと言い出し、私の手を引いてバーを出ようと切り出してきたのでした。
“諸君、日本人の勝ちだよ”
こうして私達2人は再び残った4人を置いて、2人きりなることに。
私を見送る残されたシンガポールのお姉さんは、私らを全く気にする素振りは見せなかったが、外人3人の男たちの“Oh My God(OMG)”的な表情が妙に私を心地よくさせたのでした。
雑踏を避けるために私たちは、バー通りから一筋入った裏通りを腕を組みながら何処へ行くわけでもなく歩いていくのでした。
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この記事へのコメント
pearl
以外な展開になるのかなとハラハラしましたところで続く!海外ドラマのワクワク感と同じですねー!
かる
いつも応援ありがとうございます。
そういっていただけると嬉しいのですが、記事内容が伴わず恐縮です(苦笑)。
あまり期待しないでくださいね、プレッシャーがかかるようでビビりますんで(笑)。
これからも宜しくお願いいたします。
かる