また彼女と会うことを決めたせいか、自分がなんとなくテンションが高くなっていることを感じながらも適当などうでもいいような仕事を片付けブキビンタンのホテルに戻った私。
シャワーを浴びて汗を流し少し早目ではあるが、待ち合わせ場所のツインタワーへ向かうことにしたのでした。
少し早すぎるかなとは思ったが部屋に居ても特にやることもないし、あの辺りには土地勘がないので彼女に会う前に少しブラブラしようとホテルを後にしたのでした。
タクシーに乗り込みしばらく走ると携帯にメッセージが入りました。
彼女は既に待ち合わせ場所に到着しているとのことだが、まだ時間までは小一時間ある。
“若い娘は何処の国でもこんなもの”。
いつもは平気で遅れてくるくせに自分が先に到着した時にはすぐさま連絡を取りたがる。。。それは、どうやらシンガポール人でも同じようだと感じた私なのでした。
少し渋滞に巻き込まれながらも20分もかからずツインタワーへ到着。
早速、彼女にメッセージで連絡を取り返事を待つが、すぐ反応があるだろうという予想とは裏腹に返信がなかなか来ない。
しばらくとすると、「少し離れた所にいるので、こっちへ来て」と返信が。
この辺りにはわりと精通しているのか、教えられるままの道順を辿り彼女を発見する私。
どうやら今日は一人のようだ。
そこはオープンカフェのようなスタイルのバー。既に彼女のテーブルにあるビールとツマミを確認したことで、彼女がそこを離れられない事情であることが簡単に想像ついた。
私も席につきビールを注文。
2人でツマミを啄みながら、お互い昨晩したであろう話題を持ち出して会話を興じる。
「で、昨晩忘れて帰った時計なんだけど。。。」
そろそろ引き上げようと考えた私は、そう切り出したのでした。
その言葉を受け、膝に抱えていたバッグの中を物色する彼女。
「あらイヤだわ。部屋に忘れてきちゃったみたい」
“まっじ~??これからまたペタリンジャヤまで行かなくちゃいけないのかぁ?”
ここから彼女の滞在しているホテルのあるペタリンジャヤまでは結構な距離がある、おまけに時間帯から考えて渋滞にかかることは確実。
「ちょっと一緒に部屋にもどりましょ」
予想通りの効きたくなかった言葉。これなら途中の中華街でタクシー降ろしてもらい買い直したほうがいいかもと思いつつタクシーに乗り込み、すっかり暗くなりライトアップされ始めたツインタワーを後にしたのでした。
ところが、彼女は明らかに“ペタリンジャヤ”とは違う私の聞きなれない行先を運転手に告げたのでした。
“???…..”身の危険を察した私。
『怖いお兄ちゃんの所へ連れて行かれ、「オレの妹になんてことしやがったんだぁぁ!」と脅され金を巻き上げられる』
という“フィリピン スタイル”な出来事が頭を駆け巡るのでした。
一方通行が多いせいかツインタワーの周辺を回っているが一向に遠ざからないタクシー、どうやら行先はこの付近な様子。
何もしゃべろうとしない彼女の隣で私は最悪の事態を想定し、有事の際にはどうやって逃げ出すかをしきりに考えているのでした。
無言の車内で彼女は私の手を握ってきたが、私が握り返す気になるわけがない。
ほどなくするとツインタワーにほど近いマンションらしき建物の前にタクシーは停車したのでした。
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この記事へのコメント
モ~ちゃん!
かる
ご指摘ありがとうございます。
実は(9)は、シリーズカテゴリの中でGoogleさんから初めに指導を食らい、早々にこの【別館】に引越し済なのです。
再度アップしなおそうか悩みましたが、現状でそのまま放置しております。
ですので、(9)の記事はカテゴリ内の一番古い記事として保管されておりますので、お時間が許せば立ち寄ってみてください。
これからも応援よろしくお願いいたします。
かる