
2人のシンガポール娘たちにいじられながら受けるマッサージも悪くないもので、これはこれでアリかもしれない。
おしゃべりな按摩のおばちゃんも加わり姦しい時間が何となく心地よさを与えてくれ時間が過ぎていくのでした。
「そろそろ暗くなったよね、もう行こうかしら」
と、彼女が切り出した。
ここの按摩は時間制限とかないのだろうか?・・・そんなマッサージなんて聞いたことがないのだが。
彼女らが常連だからであろうか、私達に按摩をしていたおばちゃん達は奥の部屋に居なくなっていったのでした。
向かいで按摩を受けていた彼女達は着替えのためにカーテンを閉めたので、しかたなく私も自分の側のカーテンを閉め着替えを始めたのでした。
“こっちは、別に見られながら(見せ合いながら)着替えても問題ないのだが・・・”
ここがタイだったら私らを仕切っているカーテンを引っぺがしたりもするんでしょうが、ここはシンガポールの知らない按摩屋。
しかも片方の彼女とは面識があるほうではないので、ここは紳士的に振る舞うことにした私なのでした。
按摩後にお決まりのお茶すすりながら、店の外は既に暗くなっていることを確認した私達。
特に次の行先の話題が出ることもなく再びタクシーへ乗り込んだのでした。
車内でも次の行先の話にはならなかったので、てっきりマーライオンに戻るものだと思っていたのだが、途中から彼女らは細かく進路を運転手に指示をし始めたのでした。
辿りついたのはONE RAFFLES PLACE。
何か聞いたことがあるような気がするが如何せん土地勘のない私、しかしここがシンガポールの繁華街であることは周囲の雰囲気からわかったのでした。
タクシーを降り足早に歩く彼女らを追いかける私を振り返ることもなく雑踏に消えていく彼女達。
見失わないように追いかけるのがやっとの私でしたが、なんとか同じエレベータに滑り込むことができたのでした。
流石の私も彼女らに何処に行こうとしているのか尋ねることにしたのでした。
「きれいな夜景が見れるのよ、時間が早くないと一杯になっちゃうの」
エレベータを降り案内されたのは、ONE ALTITUDE BARというルーフトップバー。
確かに周囲のビルより高さはあるようで眺めはよさそうで、既に白人を中心とした客で賑わっていた。
既に満席のように見えたのだが、彼女らが2言3言ほど店員に伝えるとすぐさま席が用意されたのでした。
“予約していただろうか、そんな時間なんてなかったと思うのだが。こいつら一体何者なんだろう?”
確かにチャイナタウンで出会った時から身なりは小奇麗で異常に金に拘りがない、しかもクラルンプール滞在中は宿を途中からツインタワーが拝める眺めの良い所に変わってるし。。。もしかして大金持ちのお嬢さん??
そんなことを思いながらも眼下に広がるシンガポールの夜景に感動する私。
マリーナベイ・サンズを確認し、自分がどの辺りにいるかがわかったのでした。
“高さ200mもあるマリーナベイ・サンズを見下ろせるなんて・・・”
席を離れシンガポールの夜景を見入っていた私の背中からワインが届けられたのでした。
「赤ワインでいいよね?私達ここからの夜景が好きなの♪」
頻繁に来ているのか、決して酒も安くないだろうに・・・。
彼女らは終始ご機嫌で、半ば私の存在を気にせずキャッキャッはしゃいでいるのでした。
私は私で、360°広がるシンガポールの夜景を堪能しながらワインを楽しんでいると、急に彼女ら2人がこっちを向き、私にこう切り出したのでした。
「ねぇ、ところでアナタは今晩のホテルどこにしているの?」
いつもはゲイラン辺りで遊び疲れ、飛び込みで安ホテルに流れ込む私が決めているワケがない。
苦し紛れに私はこう答えたのでした。
「いやぁ、突然のシンガポール出張でまだホテルは取っていないんだ」
ニヤニヤしながら肯いた彼女達。
私の宿の話題はそこで途切れ、彼女たち2人は別の話題で再びはしゃぎ始めたが、早口の中国語で理解はできなかったのでした。
何か目の前にいる彼女たちが遠い存在に感じはじめ、周囲の女性に目が移り始めたあたり、急に私に視線を投げかけてきた彼女達。
“やばい、退屈そうにしているのがバレたかな・・・”
一瞬そう思ったが彼女らから私に囁かれた言葉は、こうでした。
「ねぇ、じゃぁ今晩はあのホテルでいい?」
彼女らが指さした方向に緯線を写すと、そこにはマリーナベイ・サンズしか目ざとい建物は見当たらなかった。
からかわれている自分を知りつつも、
「マリーナベイ・サンズ?ははは、いいよ♪」
と答えた私だったが、2人そろって薄笑みを浮かべ軽く肯く彼女達。
私は軽いノリで、
「いいよ、じゃぁそこにしよう!」
と答えたものの、彼女らの言葉が冗談なのか、はたまた本気なのかは知るすべもない私。
“確か、一泊4~5万円くらいはするホテルのはずなのだが・・・”
「じゃ、乾杯ね!」といわんばかりの勢いで再びグラスにワインを注ぎ込み、私に乾杯を促してくる彼女達なのでした。
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この記事へのコメント
pearl
シンガポールに行った時は一度は泊まってみたかったんですけどねー
たしか安い部屋で25000円くらいがあったような気がしましたがたぶんしょぼい部屋かもしれませんねー
プールも入ってみたいですねー。
かる
有名ですがコスパはあまり良くないという私的な評価です。
宿泊の予定があるなら早いほうが良いかもしれませんねぇ、そのうち崩れ落ちるのではないでしょうか。
KLのツインタワーとどちらが早いか見ものですね(笑)。
ツインタワーは、日本側に連結られたんで少しはもつかなぁ。。。
かる